コラム

エナルモンデポーとは?効果・持続期間・副作用

エナルモンデポーは、男性ホルモン(テストステロン)を補う筋肉注射のお薬です。どのくらい効果が続くのか、125mgと250mgの違い、副作用と使えない方、ほかの治療との違いを、添付文書と学会の手引きをもとに解説します。

一般名:テストステロンエナント酸エステル筋肉注射2〜4週間ごと医師監修

エナルモンデポーは、テストステロンエナント酸エステルを成分とする男性ホルモンの注射薬です。油性の注射液で筋肉からゆっくり吸収されるため、1回の注射で効果が続き、男性の性腺機能不全では250mgを2〜4週間ごとに注射するのが添付文書の用法です。加齢による男性ホルモンの低下(LOH症候群・男性更年期障害)の治療にも使われますが、国内で承認された効能・効果の範囲外での使用(適応外使用)にあたる場合があります。

一般名
テストステロンエナント酸エステル
製造販売元
あすか製薬
規格
125mg / 250mg(各1mL)
投与方法
筋肉内注射のみ
主な間隔
2〜4週間ごと
当院の料金
250mg ¥6,600 / 125mg ¥4,400
成分

エナルモンデポーとは

エナルモンデポーは、テストステロンエナント酸エステルを有効成分とする注射薬です。テストステロンは精巣でつくられる代表的な男性ホルモンで、性機能・筋肉や骨・赤血球・気分や意欲など、体の広い範囲にかかわっています。

エナルモンデポーはこのテストステロンを体の外から補うお薬です。無色〜微黄色の澄んだ油性の注射液で、筋肉内注射にのみ使います。

エナルモンデポーの基本情報
項目内容
一般名テストステロンエナント酸エステル
製造販売元あすか製薬株式会社
規格125mg(1mL) / 250mg(1mL)
性状無色〜微黄色の澄明な油性注射液
投与方法筋肉内注射のみ
区分医療用医薬品(医療機関で医師の診察を受けて投与)
持続

「デポー」の意味と、効果が続く期間

「デポー(depot)」は貯蔵庫という意味です。テストステロンをエナント酸エステルという形にして油に溶かしてあるため、注射した筋肉にとどまり、そこから少しずつ血液中に吸収されていきます。これが1回の注射で効果が続く理由です。

日本泌尿器科学会・日本メンズヘルス医学会の『LOH症候群診療の手引き』では、注射の4〜7日後に血中の遊離テストステロンが最も高くなるとされています。その後はゆるやかに下がっていくため、次の注射までの間隔をあけすぎると、ホルモンの量が下がった時期に症状が戻ったように感じることがあります。

注射の間隔は、症状・血液検査の結果・副作用の出方をみて医師が決めます。

効能・効果

承認されている効能・効果

添付文書に記載されている効能・効果は次の5つです。

エナルモンデポーの効能・効果(添付文書)
効能・効果内容
男子性腺機能不全(類宦官症)精巣の働きが不十分で男性ホルモンが足りない状態
造精機能障害による男子不妊症精子をつくる働きの障害による不妊
再生不良性貧血骨髄で血液がつくられにくくなる病気
骨髄線維症骨髄が線維化して血液がつくられにくくなる病気
腎性貧血腎臓の病気にともなう貧血

加齢にともなうテストステロンの低下(LOH症候群・いわゆる男性更年期障害)の治療では、手引きに沿ってテストステロン補充療法の薬として使われています。ただし、上の効能・効果の範囲外での使用(適応外使用)にあたる場合があります。

用法・用量

注射の量と間隔(用法・用量)

エナルモンデポーの用法・用量(添付文書)
対象1回の量間隔
男子性腺機能不全100mg7〜10日ごと
男子性腺機能不全250mg2〜4週間ごと
造精機能障害による男子不妊症50〜250mg2〜4週間ごと(無精子状態になるまで)
再生不良性貧血・骨髄線維症・腎性貧血100〜250mg1〜2週間ごと

LOH症候群のテストステロン補充療法について、手引きでは125〜250mgを2〜4週間ごとに筋肉内注射する方法が示されています。治療を始めたら3か月ごとに効果と副作用を確認し、続けるかどうかを判断します。

規格

125mgと250mgの違い

125mgと250mgは成分は同じで、1本(1mL)に含まれるテストステロンエナント酸エステルの量が違います。

量が多いほど血中のテストステロンは高くなりやすい一方、多血症などの副作用も量に応じて起こりやすくなることが報告されています。どちらを何週間ごとに使うかは、症状と血液検査の結果をみて医師が決めます。

副作用

エナルモンデポーの副作用

添付文書では、次のような副作用が報告されています(いずれも頻度不明)。

添付文書に記載されている主な副作用(抜粋)
分類主な症状
血液検査の異常肝機能の数値の異常
性機能・生殖精巣機能の抑制、性欲の高まり、勃起が長く続く
皮膚ニキビ、脱毛、色素沈着、皮膚の色調の変化
その他過敏症、多幸感
注射した部位痛み、しこり

このほか手引きでは、テストステロン補充療法で次の点に注意するよう示されています。

  • 多血症:赤血球が増えすぎることがある。筋肉注射で起こりやすく、定期的な採血での確認が必要
  • 精子をつくる働きの低下:高い頻度で起こるため、治療前にお子さまを希望されているかを確認する
  • 前立腺:治療で前立腺がんが増えるという根拠はないとされる一方、すでにある前立腺がんは悪化させるおそれがあるため、治療前にPSAを測る
  • 心臓・血管:影響については見解が分かれており、治療開始後1年以内は特に慎重に経過をみる
  • 睡眠時無呼吸症候群:悪化することがある
使えない方

エナルモンデポーを使えない方・注意が必要な方

使えない方(禁忌)

  • 前立腺がんなど、男性ホルモンで進行する悪性腫瘍がある方、その疑いがある方
  • 妊娠中の方、妊娠している可能性のある方(女性の胎児が男性化するおそれがあります)

注意が必要な方

  • 前立腺肥大症のある方(肥大が進むおそれがあります)
  • 心臓の病気がある方、または過去にあった方(体に水分やナトリウムがたまり悪化するおそれがあります)
  • 腎臓の病気がある方、または過去にあった方(同上)
  • がんの骨への転移がある方(高カルシウム血症のおそれがあります)
  • 骨の成長が終わっていない可能性がある方
  • 高齢の方(男性ホルモンで進行する腫瘍が隠れている可能性があるため)
飲み合わせ

一緒に使うときに注意が必要なお薬

添付文書で併用に注意が必要とされているのは、ワルファリンなどの抗凝血剤(血液を固まりにくくするお薬)です。エナルモンデポーと一緒に使うと、抗凝血剤の作用が強まることがあります。服用中の方は必ず医師にお知らせください。

ほかの治療

ほかの男性ホルモン治療との違い

国内で使われている主な男性ホルモン治療(手引きより)
治療使い方特徴
エナルモンデポー(テストステロンエナント酸エステル)125〜250mgを2〜4週間ごとに筋肉注射国内で一般的な方法。注射の4〜7日後に血中濃度が最も高くなり、その後下がる
hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)週2〜3回、または1〜2週間ごとに筋肉注射精巣を刺激して自分のテストステロンを増やす。精子をつくる働きを保ちたい方・お子さまを希望する方に使われる。男性性腺機能低下症には保険適応外
男性ホルモンの塗り薬(第1類医薬品)1日1〜2回、皮膚に塗る血中濃度の変動が比較的少ない。皮膚への刺激が出ることがある。保険適応外

サプリメントや「テストステロンブースター」と呼ばれる健康食品は医薬品ではなく、テストステロンそのものを補うものではありません。

保険と自費

保険診療と自由診療の違い

エナルモンデポーは国内で承認された医薬品で、診断の条件を満たせば保険診療で投与される場合があります。自己負担は1〜3割になります。

自由診療では健康保険を使わないため、費用は全額自己負担になります。当院は自由診療のみのクリニックです。保険診療をご希望の方は、保険診療を行っている泌尿器科などの医療機関にご相談ください。

ご確認ください

当院で使用するエナルモンデポーについて

自由診療であること

当院でのエナルモンデポーの注射は自由診療です。健康保険は適用されず、費用は全額自己負担となります。治療開始までの費用の目安は17,600円(税込)です(テストステロン検査セット11,000円+250mg注射1回6,600円)。

適応外使用にあたる場合があること

エナルモンデポーは国内で承認された医薬品ですが、承認されている効能・効果は「男子性腺機能不全(類宦官症)、造精機能障害による男子不妊症、再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血」です。加齢にともなうテストステロンの低下(LOH症候群)に対する使用は、学会の手引きに沿って医師が判断して行いますが、承認された効能・効果の範囲外での使用(適応外使用)にあたる場合があります

入手経路

国内で承認された医薬品を、国内の医薬品卸売販売業者から購入しています。

国内で承認されている医薬品の有無

テストステロンを補充する注射薬として、国内ではエナルモンデポーを含むテストステロンエナント酸エステル製剤が承認されています(効能・効果は上記のとおりです)。

諸外国における安全性等の情報

米国ではテストステロン製剤が性腺機能低下症の治療薬として承認されています。一方で米国食品医薬品局(FDA)は、加齢だけを原因とするテストステロン低下に対する有効性・安全性は確立していないとしています。

医薬品副作用被害救済制度について

適応外使用の場合、万一重い副作用が起きても医薬品副作用被害救済制度の対象にならないことがあります。

主な副作用・リスク

多血症、精子をつくる働きの低下・精巣の萎縮、肝機能の数値の異常、ニキビ、脱毛、注射部位の痛み・しこりなどがあります。前立腺がんなど男性ホルモンで進行するがんがある方は使用できません。効果の感じ方には個人差があり、改善しない場合もあります。

新橋・銀座

新橋・銀座でエナルモンデポーの注射を受けるには

新橋銀座スウィフトクリニックでは、エナルモンデポーを使ったテストステロン補充療法を行っています。新橋駅から徒歩1分、銀座駅からは銀座線で1駅(約2分)です。平日は21時まで、土日祝は10時から18時まで診療しています。

初回はテストステロン検査セット(11,000円)で、テストステロン値・PSA・血算・肝機能を確認します。医師が治療の適否を判断したうえで、2回目のご来院から注射を始めます。注射は250mgが1回6,600円、125mgが1回4,400円(税込・診察料込み)です。

3ヶ月プランや定期採血を含む料金と診療の流れは、新橋・銀座のテストステロン補充療法のページをご覧ください。

料金と診療の流れを見る

FAQ

よくあるご質問

エナルモンデポーの効果はどのくらい続きますか?

エナルモンデポーは油性の注射液で、筋肉からゆっくり吸収されます。学会の手引きでは、注射の4〜7日後に血中の遊離テストステロンが最も高くなるとされ、その後は少しずつ下がっていきます。このため、男性の性腺機能不全では2〜4週間ごとに注射するのが添付文書の用法です。

エナルモンデポーの125mgと250mgは、何が違いますか?

成分は同じで、1本に含まれるテストステロンエナント酸エステルの量が違います(いずれも1mL)。どちらを何週間ごとに使うかは、症状・血液検査の結果・副作用の出方をみて医師が決めます。

エナルモンデポーは自分で注射できますか?

エナルモンデポーは筋肉内注射にのみ使うお薬で、神経や血管を避けて注射する必要があります。当院では院内で医師・看護師が注射します。ご自宅での自己注射用にはお渡ししていません。

エナルモンデポーは市販で買えますか?

エナルモンデポーは医療用医薬品で、医療機関で医師の診察を受けて注射するお薬です。薬局やドラッグストアでは購入できません。市販の男性ホルモン製剤としては、薬剤師から購入する塗り薬(第1類医薬品)があります。

エナルモンデポーの注射は痛いですか?

油性の注射液を筋肉に注射するため、注射した部位の痛みやしこりが出ることがあります。同じ場所に続けて注射しないようにし、強い痛みや腫れが続く場合は受診時にご相談ください。

エナルモンデポーは健康保険で打てますか?

診断の条件を満たせば、保険診療で投与される場合があります。当院は自由診療のみのクリニックのため健康保険は使えず、費用は全額自己負担です。

新橋・銀座でエナルモンデポーの注射を受けられますか?

新橋銀座スウィフトクリニック(新橋駅から徒歩1分・銀座駅から銀座線で1駅)で受けられます。初回は血液検査(検査セット11,000円)で安全性を確認し、2回目のご来院から注射を始めます。料金と流れは新橋・銀座のテストステロン補充療法のページをご覧ください。

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